2016年9月4日日曜日

「清潔」に対する感度の差

院内で患者さん達が入院してくるときはそれこそ”イロイロ”起きます。

名古屋という土地はやはり田舎と違ってどでかい会社の本社や工場が集積、もしくは周囲のエリアにでかい工場が散在しておりますので、そこで働く人たち自身が高齢になって仕事ができなくなったり、退職したりして収入の道が途絶えたりした時に社会的入院の道が選択されると病院に入ってくる人もおります。

名古屋というのは本当に沢山の介護施設が有るのですが、それでも収容しきれない人達がその”たくさん”のシステムから溢れています。保護の傘の下にいる人、保護の傘から外れている人(保護の傘から逃れようとする人!までおります。このタイプの人達に関してはそのうちまた。)等が人としての最低限の幸せを再構築するために病院を経由して健康のチェックをした上で再び名古屋のシステムが提供する住宅や施設、そして関連提携施設に送り出すのです。

この手の人達は一部「清潔」というものに関して独特の感覚を持っている人達がおられます。それは清潔の方も不潔のほうも結構幅がひろいのですが、不潔の方のバリエーションの広さは「ホンマですか?」というような感じです。

世間で言うところの「ゴミ屋敷」のオーナーだという人や福祉住宅に住んではいてもやはり”足の踏み場もない”というような所から来ている人もチラホラ。入院の時点で皮膚科の先生が鉄壁の守りをして疥癬のスクリーニングをしてくださるのですが、そこでポジティブと出た方は個室へ入っていただくということになります。

こう言った患者さん、疥癬が検出されたからといって必ずしも外から来た方ではなく、他の大きな病院からやって来た方でもチラホラ。ということはそういった病院では疥癬チェックは緩いわけで、そのような病院から送られてくる患者さんは”汚染”されている可能性がありますので、取り敢えず要検査の対象に上がります。

更には疥癬が検出されなかった人でも長い間お風呂に入っていなかった方は皮膚がゴワゴワになって角化していたり、何度かシャワー浴を通過して初めて綺麗になっていく場合も・・・。

病院というのは人の健康と清潔を管理して再度ヒトとしての普通の生活を送っていただくように努力するのですが、個人の清潔や健康に対する感性はまさに無限の幅があります。この幅が下の方で固定していると・・・折角の我々の努力も水の泡なんですが、御本人は至って無関心と言うのが本当に多いですね。w

育った環境や教育による”清潔”への感性の差は年をとってイキナリ変わるものでは無いんですね。当たり前ですが。

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4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

>個人の清潔や健康に対する感性はまさに無限の幅があります。

おおざっぱに言うと「価値観の違い」ですかね~
夫(と育てた姑)と私の間にも
清潔、というかお部屋の片付け度に関して深い溝があります。
私が自分基準で部屋を片付けていたら
夫は「もうちょっと散らかってるほうが落ち着く」と言い、
我が家に姑をお招きすると
姑が夫に「神経質?」と耳打ちします。
(しかし目の前でやるのでしっかり聞こえます・・・わざと?・・・ガクブル)
「ちょっと散らかす」ってどうすりゃいいのよ???? 笑

small G さんのコメント...

これは難しい!

結婚して赤の他人がずっと同じ屋根の下に住む訳ですから、多くに人は三十年前後の各家庭の”清潔感”をバックグラウンドに引き継いで互いの配偶者となるわけで、それが完全にマッチするというのは実は奇跡に近いですよね。
すごく素敵な人なんだけど、部屋の散らかり具合だけはとても納得が行かないなんていうのはきっとザラだと思います。

それでも通常は綺麗好きの側が定期的に掃除をしていくというのが多くの家庭のパターンではないでしょうか。
因みに我が家は清潔に対する感覚はそっくりなんですが、嫁さんはいつでも常に掃除をするんですけどそこまで神経質にはやらないという人で、私はそれに甘えて乗っかりつつも”気が向いたら”ドコーッとそれこそ気まぐれにですが、徹底的に綺麗にするというパターンで良い感じで補い合っているのではないかと思います。ただし普段はしないので、嫁さんがいないと数日で部屋の中が「ゆるんで」まいりますが。w

多分御主人はそんな感じかも?ただ、お姑さんはちょこっと意図的すぎるような・・・。w
我が家の実家は母ちゃんがユルの芸術家タイプ、父ちゃんが原理主義者でして、これも第三者の目からみるとお互いが補っておるようです。


匿名 さんのコメント...

一応、やってみたんですよ、「ちょっと散らかす」を。
そしたら、どんどん散らかるんです!笑
で、すぐに断念しました。ハハハ・・・

>我が家の実家は母ちゃんがユルの芸術家タイプ、父ちゃんが原理主義者

ユルの芸術家タイプってどんな感じなんでしょう?
なんか楽しそう・・・

small G さんのコメント...

敵は予想の斜め上!
ここはやはり奥方が操縦桿を握るのがベストという結論のようです。ベタですが。w
それでも仲良く過ごされているのですからそういうご夫婦が出会うべくもともとそういう様に配剤されていたのでしょう。

ユルの芸術家というのはちょっと言いすぎですが、要するにアレンジメントや飾り付けは好きな人なのですが、基本的にエントロピーを拡大させる方向に動くだけで、収束方向には余り向かない人ですね。
要するに片付けベタ?しかし、まあ、これもロボットのように片付けをしていく親父に比べればという相対性に基づくものかもしれません。
いずれにしても、われ鍋綴じ蓋系のお二人です。