2016年3月17日木曜日

感染症の研究会へ

昨夜は名古屋地区の各大学病院の合同感染症研究会に行って参りました。

何気なく参加した二回前から連続して参加していますが、演者の発表内容はまさしく玉石混交。まあ、私は感染症の専門家ではないので、そちら方面の権威を持つ方々には何も言うつもりはない人ですし、言うだけの知識も経験も全く有りません。そもそも、そういったことには全く興味もなく、ひたすら知識の吸収という行為のために参加しております。

今回の主演者は私の出身大学の第二内科でつい最近まで教授をされて居られた方でしたが、日本の感染症の研究者たちの中では名前は売れていた方らしく、感染症のガイドライン作成の中でトップを務めた方の一人らしいです・・・。ま,私にはどうでもいいことですが。w

まあ、今回の話はそれなりってことでこれ以上の論評は抜きにさせて頂いて・・・って訳にはいきませんわね。話の中でオイオイと思ったのはガイドラインに掲載する文章の選択に至るまでの非常な苦労の挙句にその選択は感染症学の医師達の70%が同意したものだけを紙の上の最終版に載せていくというものでした。

オイオ〜イ!科学って多数決ですか?臨床感染症制御学っていうのは経験知の集合体みたいなもんだからこれで良いんかな?それともガイドラインというものの性質上そういう決め方するの?w
それにしても、耐性菌との追いかけっこの中で、抗生物質の使用を巡る肺炎の治療というものは実に混乱を極めているように見えたんですけど、それは部外者であるシロウトの見方でしょうかね。そう思いたいくらいカオスに満ちた感じでしたが。

アメリカかイギリスだかではガイドラインに沿って治療したグループの方の患者の死亡率が高かったという笑うに笑えない実例まで挙げられて来た時はもうね、何だか訳わからんぜコレって感じでしたが。

実のところ面白かったのは症例検討会でした。
コレも大学だからこそ許される恐ろしい数の検査と聯合艦隊総攻撃風の治療を使った話で、自分の大学の臨床検査教室のある人物を救い出すまでの若手女性医師の苦闘が語られましたが、何だか集学的治療で明らかに莫大な労力と金をつぎ込んで最後はこの方を助けたのですが、こういったことを来る人皆にやってたら、そして治療者側が皆やってたら日本はアッという間に大破産ですわ。まあ、医療経済学的観点が全く語られなかったのはちょっと片手落ちでしたね。

市中病院ではそうは問屋が卸しませんぜ、全く・・・。
こういうのは大学の外の人からみると漠然とマスターベーション、いや自己満足というふうに取られかねないような気もしました。

しかしそれはそれ、若い優秀な先生方の活発な議論は老大家達を黙らせる迫力を持ったクオリティを持つ方々が沢山いたと思いました。日本の感染症研究が沙汰止みになることは少なくともここ暫くは無さそうです。

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