2013年8月19日月曜日

犬とチョコレート

向こうの部屋で下の娘が大きな声で喚いている。
何だとは思っていたが暫くして嫁さんと娘がPCの所に居た私の所へ犬を連れてやってきた。下の娘は最初何か叱ったような声を出していたのだが私のところに来た時には泣きはらした眼で犬を小脇に抱えてやってきたので「もしかしてまたか?」とおもっていたのですが、案の定、嫁さんが説明しだした状況はロッテのガーナチョコレート(普通のエクセレントのもの)を犬が食べてしもうたというもの。
思わず「またか!バカが!」と言ってしまいましたが有害成分である所のテオブロミンがどれくらい摂取されたかが問題となります。最初ベッツに電話しましたがつながらないのでとりあえず落ち着いて調べ始めました。日米でいろいろな話があるのですが、テオブロミンの致死量がどれくらいかということをはじめ、実際に摂取された犬を持つ飼い主の体験談その他を見ていてわかったのはいろいろあったのですが、まあどうやらオーバーな表現と科学的根拠に乏しい又聞きのようなものばかりということでした。(残念ながら人間の医学でも多いことですが、、、)
そこでメルクマニュアルでテオブロミンをみてみますと、、、以下の様な記述が有りました。

The LD50 of both caffeine and theobromine is reportedly 100–200 mg/kg, but severe signs and deaths may occur at much lower dosages, and individual sensitivity to methylxanthines varies. In general, mild signs (vomiting, diarrhea, polydipsia) may be seen in dogs ingesting 20 mg/kg, cardiotoxic effects may be seen at 40–50 mg/kg, and seizures may occur at dosages ≥60 mg/kg. One ounce of milk chocolate per pound of body weight is a potentially lethal dose in dogs.

ようするに半数致死量はキロあたり最低で100ミリグラム。しかし個体差や場合によりもっと低い量でもシビアなケースや致死的なケースも有り得る。主な症状は20mg/kgのマイルドなもので嘔吐、下痢、多飲など。心毒性はその倍量ほどで、痙攣などは60mg/kg以上で起こりうるというものです。一ポンドあたり一オンス(28g/454g)のミルクチョコで犬の場合死ぬ可能性有りとのこと。

ではうちの犬の体重はというと約3キログラム超。今回食べたミルクチョコのトータルの重さは一枚で140グラムとのことですが、実際には最大見積もりでも半分は食べていないとのこと。半分食べたとここでは仮定して70グラム。しかし、上の表記をもとにこれを換算すると185グラムのチョコを食べないと上記の記述致死量には達しません。
念のため日本のロッテチョコに緊急で電話して消費者相談窓口のN様に懇切丁寧にこのチョコのテオブロミンの含有量のデータをお伺いしました所、100グラムあたり0.26グラムと教えて頂きました。ということでこれも換算してみると70グラム摂取したとして最大180ミリグラム前後の摂取量です。3キロの犬の半数致死量の300ミリグラムの60%。徐脈などの心毒性が起きる可能性のあるレベルに達しては居ますがここは経過観察ということにしました。
まさに経過観察ということで、娘には二度目の失敗の罰として今晩は寝ずに経過観察を申し付けました。(無論バックアップの親父も実は寝ないのですが、、、。)

生き物を飼うということは人を育てるのと同じこと。ちょっとした油断が生死を分かつことが有るのですから、その重さを今のうちに十二分に理解してもらおうと思います。
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