2017年1月17日火曜日

精神科の患者さんは・・・

実はこんなことを書くといろいろと言われそうで嫌なのですが、精神科の病棟と内科を掛け持ちしている立場の者として時折感じていることを書こうと思います。

精神科に入院している患者さん達が難治性の内科疾患や外科にお世話になるような疾患に罹患した時には当然、自分のところだけでは完治させられないような疾患が幾らでも出てくることになります。その分野の専門医に紹介して、それ用の高度の設備が整った所にさっと送り込んできちんと治してもらえるようにラグ無く送り込むのは我々プライマリ・ケアをこなしていくドクターの大切な仕事です。

脳外、心臓外科、眼科、耳鼻科、泌尿器、整形、産婦人科、膠原病、血液内科、内分泌代謝疾患、神経疾患、また治療診断とも難易度の高い循環器疾患や消化器系疾患なども当然そうなります。当然そのエリアで先端的な技術と誇りを持って仕事をされている先生方に、当方の初期診断に関してお伺いを立てるとともに、可能であれば次のステップもお願いすることになります。

ところが・・・です。殆どのドクターは精神科に入院している患者さんでも治療・入院に協力的に動いてくださるのですが”病院としては”精神科に入院している患者さんをその他の一般病棟に送り込まれる事に対して異常なまでに神経質な反応をする施設が存在する事も事実です。残念ですが。

紹介状を書く時点で、当院の担当精神科のドクターの方の紹介状もあわせて書いてくれというのは当然納得できるとしても、それに追加して当院の精神科医との連絡も精神科医同士でとっておいてくれとか、”万一の場合”には直ちに貴院に再度お引き取り願えるようにしておいてくれというようなリクエストは比較的毎度です。

要するに誰も”面倒なこと”には巻き込まれたくないんですね。確かに、精神疾患というものに通常目立った形では(自覚すること無く)向き合ったことのない方々にとって、精神疾患を持った患者さんに対する漠たる不安を持つ人が居るのは否定しませんが、出来れば医療のプロの集団である大きな病院のスタッフ達にはそのような対応をしなくても高い障壁無く、スムースに受け容れていただけるようにして欲しいものだなと思う事が多いです。

これは実は認知症の方々に対しても同じような対応がされるという問題がありまして、夜間日中にかかわらず自分でベッド柵から落下して骨折したり、徘徊していろいろと問題を起こす方々に対しても同じように見えない感じで忌避されるような印象を受ける事が多いんですね。ある面では仕方が無いとも思えることもあるのですが、実際には今後の高齢化社会においてはそのようなことを言っていては、多くの患者さんを受け容れられない病院という評判が立つ近未来が待っているような気がしないでもないです。いずれにしても現実的な問題としては受け入れ先の病院の考えていることも理解できる面もありますので、紹介する方もされる方も多分に互いに悩みの深い所です。

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