2009年12月18日金曜日

鳩山流資産構築術




昔、ある小さな島国に目玉の大きなポッポという渾名のおじさんが住んでいました。
おじさんは幸せなことにお金持ちの家に生まれたため何の苦労もせずに大きくなりました。いつもポッポポッポと言いながら与えられた餌をついばむことに専念していれば良かったのですが、退屈で仕方ありません。そこでこのポッポおじさんはふと思いついてこの国の王様になることにしました。


最初は難しいかと思われていたのですが、お金の力は凄いものです。あれよという間にこのおじさんは自分の住んでいる国を治める王様になることが決まりました。自分が王様になるためにはいろいろと紆余曲折もあったのですが、取り敢えず増五味と呼ばれる取り巻きたちに支えられて今まで自分たちの生活を支配してきた昔の王様を追い出すことができました。しかも、お金の無い人達の圧倒的な支持を受けました。国民は王様が自分たちにしてくれた有り得ない程の沢山の素敵な約束に酔いしれて、熱に浮かされたように王様に万歳を繰り返し送りました。


さて、おじさんが新しい王様になって暫くして周囲に王様に関する良くない噂が立ち始めました。それはどうやら王様のおうちに集まってくる沢山のお金のことでした。王様はもともとお金持ちの家に生まれたので、まあ、お金持ちで不思議ではないと思われていましたが、そのお金の額と集まり方が尋常ではないことに王様を選んだ人たちも気づいてヒソヒソと噂し始めたのです。


もともとこの王様のお母さんは馬車に取り付ける車輪の周りに貼り付けるゴムを売っている会社を作った「橋石」という人の家の娘でした。その娘さんは創業者であるお父様から900億円分の株式を譲り受けていました。そのお金を持ってお嫁さんに来たのです。まあ、それがどうやって無税で受け継がれたかは知らないのですが、その娘さんはやがておばあさんになり息子や娘たちに自分の持っているお金をどうやって国に税金を取られずにコッソリ渡すことが出来るのか知恵を絞ることにしました。だって自分のお金は自分のお金、国民のお金は人の金、自分のお城を守るのが王家の優先事項です。


世の中は難しいものです、ここで昔の王様の家来たちがこの新しい王様に何とか復讐してやろうとこの王様のことを詳しく調べていました。するとこのポッポ王のお母さんがこのポッポ王にお金を残す方法を次のように行なっていたことがわかったのです。まずお母さんは考えに考えた挙句、それぞれ子どもたちに350億円分の株式を一人ずつ分け与える事に決めました。しかしこんなことが下々の者にバレたら息子が王様としてこの国に君臨することは出来ません。そこでこっそり貸付金ということにして株式から出てくる配当金1500万円を毎月毎月自動的に子どもたちの口座に振り込めるように設定していました。
このおばあさんもポッポ王も1500万円くらいの少額のお小遣いなら下々の者は気づかないだろうと思っていました。そこに誤算がありました。このポッポ王、自分が裸の王様と居われているのについぞ気付かず、お母様の言う通りにしていたので、事の重大さに気づくのが遅れてしまいました。1500万円というのは下々の者にとっては大変なお金だったのです。
しかしそこは王様の力。明日のことなど我関せず倉庫に積んであった飴を大量にバラマキました。そのおかげでしょうか、今日配られる飴が甘ければ良いと考える下々の皆さんに強力に支えられて、王政を続けることができたのです。王様の「奪税」対策を取り締まろうとした「検札」という部門の人達も自分の住む国自体が無くなるのを恐れて「常申庶」というものを提出してさえくれれば勘弁してやるということで恩を売ることにしました。


下々の者はそれでも何だか不安でした。この世間知らずのポッポ王子で私たちの国は大丈夫なのかと、、、。でも大丈夫。何も心配しなくて良いよとこのポッポ王を支えている悪沢という人が言いました。この国は暫くして外国の人達の為に必死でお金をばら撒く評判の国となりましたが、それも長くは続きませんでした。
というのもお金のことなどこれっぽっちも考えたことの無いこの王様が次の王様に変わったときに国の倉庫に残っていたのは国民からの借用証書だけであれだけ積み上げられていた国民の金銀財宝はもう煙のように消えていたのでした。外国の人達の歓心をかって良いところを見せようとしたこの世間知らずの王様のおかげで、長い間続いてきたこの国はたった数年でその国を滅亡させる方向へと大きく舵を切ったのでした。




オシマイ。

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